元ネタ(Xのポスト)
もっと早くにおしゃれそのものに向き合うべきでした。
そうすれば若かりし頃に言われたお前はダサイだのセンスがないだの周りからギャーギャー好き放題言われたとしても、考え方の土台をしっかりさせることで悩むこともコンプレックスを抱えることもなかったため。
背景
婚活やる前の若かりし私(高校生~社会人初期)はおしゃれにすることが相当不満でした。ブランド物の服, ズボンやカバンは見てくれを重視したデザインで数万円といった価格でした。鞄ならまだわかるのだが(本革やらワニ皮やら)、なぜに布きれ1枚に数万円はらわにゃいかんのだ、と。
とはいえ、当時の私も若者として例外なく承認欲求の権化であり、欲求を満たすためにおしゃれになりたいと考えていましたが、おしゃれのセンス0のまま青春を終えたのでした。
当時の勘違いぶりは私の黒歴史と言っても遜色なく、ただのシワシワのヨレヨレの服をゆったりファッションと、理系男子特有のチェックの上着を鮮やかなチョイスと、エメラルドグリーンの長ズボンを個性的と言ってのける程でした。もちろん家族からはダサイと、周りの友人からは個性的wwwwと言われていました。
自分なりに頑張ったにも関わらず、けちょんけちょんに言われたことが割に合わなかったため、段々とおしゃれが嫌になり、憎むようになってしまっていました。
そんなセンス0の状況も、婚活をやっていく中で自分のルーツ(知らず知らずのうちにひん曲がった考えの自分)を見たことで補正(?)され、おしゃれのやり方を結婚相談所の仲人おじいさんお兄さんの力を借りて、実用上なんとか清潔感を保った(やってます気を付けてます程度にごまかす)まではもっていくことができました。
しかし、必要に迫られて分かっただけであり、本質的な部分は今でもわかりません。
というわけで、調べることにしました。
結論は冒頭の通りです。
おしゃれって何よ?
素人が推測をグダグダいうより、文献の力を借りましょう。
そこで本研究では、おしゃれの概念を、「主に被服や化粧などの装飾や日常生活場面において、楽しさ、喜び、自己充実感などの快感情や他者からの好意的評価を得るなどして生活の質を高めるためになされる行為一般およびその志向性」とする。
- 中略 -
したがって、ジェンダー・アイデンテイテイが高い個人は、外面的おしゃれ、内面的おしゃれの両方を促進すると推測できる。
- 中略 -
まず、第l因子は、「流行の服のアイテムはだいたい購入する」「靴を選ぶときはデザインよりも歩きやすさを考慮する(反転項目)」「寒くてもフアツシヨンのために薄着をしたりする」など、流行を追い、他者からの評価が発生しうるおしゃれ側面への関心を示す項目より構成されていた。そこで『外面的おしゃれ』因子と命名した。
第2因子は、「下着は上着にひびかないものを着用する」「しみやしわ、ほつれがある洋服は、人から見えない位置でも気になる」「使用する基礎化粧品にはこだわるほうだ」など、他者からの評価とは無関連に、自分自身でのみ行っていることを判断できるおしゃれ側面への配慮を示す項目より構成されていた。そこで『内面的おしゃれ』因子と命名した。
- 中略 -
橋本 幸子 尾田 貴子 土肥 伊都子 柏尾 眞津子 2005, おしゃれの二面性尺度の作成およびジェンダー・パーソナリティとの因果分析 : 母世代・娘世代の比較, 社会心理学研究 21 巻 3 号 p. 241-248
まとめるとこんな感じでしょうか。
- おしゃれは自分のためであり、他人のためでもある。
- 自分のためのおしゃれは自分らしさを確認することで内面的に満たすことを目的とする『内面的おしゃれ』である
- 他人のためのおしゃれは他者から見られるための着飾りを目的とした『外面的おしゃれ』である
おしゃれの複雑性
前述のおしゃれの2面性の定義にもとづけば、おしゃれは相当に複雑であることが分かります。
『内面的おしゃれ』と『外面的おしゃれ』は同時に存在しているとともに、お互いが反発しあっているためです。
どちらかにおしゃれの趣向を傾ければ、一方がおざなりになるわけです。
つまり、矛盾しているわけです。
仮に、他者からどう見られるかを最優先に考えていたら、自分のことは二の次にして、自然と自分が属してる集団にそったような見た目に合わせてしまうでしょう。集団を示すような統一的な色使いや服装になっていくわけです。これは個性的とは程遠いものです。もはやおしゃれと言う名の制服です。
一方で、自己実現や本質を追及する表現に走れば、行きつく先は突出したオンリーワンな表現となり一人でパリコレでもやるんじゃないかと言わんばかりの超個性的な格好になってしまうでしょう。もはやおしゃれと言う名の唯我独尊です。
つまり、おしゃれは自分の属している集団の調和と自分の望む形を一緒に表現するための手段であり、日々自分の中で2つをせめぎ合いさせていることから、日々おしゃれについて常に悩むことになるのは当たり前な事であったのだということが分かります。
私も例外なく「他者の評価」と「自分の出したい個性」を戦わせて、どちらを勝たせるべきか、悩んでいたわけです。
私の場合は「自分の出したい個性」が勝っていたことが振り返ってわかりました。
そうだったのか!私は何に悩んでいたのか分かった気がするぞ!これでおしゃれは怖くない!!(もう遅い)
『内面的おしゃれ』と『外面的おしゃれ』の両立はジェンダー・アイデンテイテイの確立につながるため、自分の人生において前向きにするためにも、そうじゃなくても日々を生き抜くためにも必要です。
どうすればよいか、私の考えは次章で述べています。
補足ですが、おしゃれの複雑性の詳細については参考文献1のFigure1を見てください。おしゃれに関わる要素が複雑に絡み合っていることが分かると思います。
自分は何の色?自分は何の形?
じゃあどうするのよ?が現実の問題としてあがりますので、実際の話に落とし込んでみます。
今までの話をもとに考えると、おしゃれになるということはお互いが矛盾しあっている『内面的おしゃれ』と『外面的おしゃれ』を同時に満たす必要があります。
おしゃれに見られたい、さらに自分らしくいたい。それらを目に見えるように表現したい。なんとも欲張りな願望なわけです。
パッと見、無茶ぶりな内容ですが、手段がないわけではないと思います。
まずは自分を知るところからでしょう。これは自分の内側、つまり『内面的おしゃれ』のための取り組みです。次に、自分の内側を知った上で自分の外側の目に付くところをデザインします。つまり『外面的おしゃれ』のための取り組みです。
では、『内面的おしゃれ』のために自分を知っていきましょう。
まてや、それってどういうこと?なると思います。
これは、おしゃれに関していえば、最終的なおしゃれのアウトプットは被服や装飾であるわけなので、それらの構成要素が何なのかを皮切りにすれば良さそうです。
結果、おのずと色(配色)と形(線の流し方や図形)に分けられるかと思います。
つまり、自分の内側に(無意識に)もっている自分の色と形、おそらくそれは自分の心の色と形を推測し、納得をした上で自分で決めていきます。
(心の)色と形についての心理的効果は定性的な理論が確立されています。
色は参考文献3と参考文献4で、形は参考文献5を確認してみてください。
(参考文献3と参考文献4は本なのでお金を使います)
特に、色に関しては理論だった内容でもイメージはつかみ辛いものですが、参考文献3の『色は言葉である』から始まる説明を読み進めていけば、おのづと隔たりなくイメージをつかんでいけると思います。
まずは自分で調べてみた上で、自分の過去から今までを振り返り、自分がどういった考え(価値観)を持ち、どのような性格になったのかを見つめ直しましょう。
私は婚活をしていた時にやっていました(恐ろしいほどに長文ですが、具体的にまとめています)
あとは、見つめなおした内容を理論上における色と形の特長に当てはめていけばよいです。
私カワッターの(心の)色は参考文献4にもとづいた『オレンジ(フレンドリー)』、(心の)形は参考文献5にもとづいた『形9』でした。
色と形が決まれば、それに伴って組み合わせるおしゃれの手段(服:色と形の組み合わせ)も決まってくるはずです。
ここから『外面的おしゃれ』について取り組みます。
目に見える色と形においては、相手が受ける印象はある程度きまるため、あとは色が参考文献3と参考文献4、形が参考文献5に相当する考え方に従います。
自然と目に見えるおしゃれ、つまり『外面的おしゃれ』ができあがっていくと思います。
もちろん最初から上手くいくはずもないのですが、ある程度根拠のある筋道を立てているため、今までよりも失敗を許容できるはずだと考えます。
以上、私もまだまだ勉強の身、偉そうにおしゃれについて言える立場でもないのですが、おしゃれについて悩んでいたのは事実ですので、似たような方にとって少しでも参考になればうれしく思います。
参考文献
- 橋本 幸子 尾田 貴子 土肥 伊都子 柏尾 眞津子 2005, おしゃれの二面性尺度の作成およびジェンダー・パーソナリティとの因果分析 : 母世代・娘世代の比較, 社会心理学研究 21 巻 3 号 p. 241-248
https://doi.org/10.14966/jssp.KJ00004065964 - 尾田 貴子 橋本 幸子 柏尾 眞津子 土肥 伊都子 2003, おしゃれの二面性に関する研究 ―被服・化粧行動, 心理的健康との関連―, 繊維製品消費科学 44 巻 11 号 p. 700-709
https://doi.org/10.11419/senshoshi1960.44.700 - 南雲 治嘉(2008), 常用デザイン 21世紀を生き抜くデザイン, 株式会社グラフィックス社 p73-82
- ティナ・サットン ブライド・M・フェーラン(2009), 配色見本帖―イメージ別に見つかる配色コレクション, ピエ・ブックス, p.70-73
- 岡野 千晴(2019), 形の印象に関する研究, 研究紀要 p. 75-84
https://lib.kjc.kindai.ac.jp/pdf/2019-07.pdf
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