土地って実際に見学したときは何を注意すればいいの?
パッと見じゃ空地にしかみえないよ!
買い手側として最低限押さえておかないといけない内容は?
私達は専門家じゃないから全部を分かるのは無理だよ!
お答えします。
カワッターです。
今回は前回(境界標の話)の続きです。
今回は土地の周りについての注意点をまとめました。
ボリューミーになってしまいました。
実際に土地の見学をしていた時に、不動産とハウスメーカーの営業さんに聞いた内容をまとめています。
その他情報はこちらからどうぞ!
お家:営業さんの相性の話・家族が欲しい内容のまとめ方・高性能住宅について(最低限のパラメータ)
土地:境界編・地中編・たった1つの心得編
目次です
事前準備-ハウスメーカーの営業さんも一緒についていってもらおう!-
土地の見学に行くときは、ハウスメーカーの営業さんも一緒についていってもらうほうが良いです。
一緒に行けない場合は、後で必ず土地を見てもらいましょう。
なぜなら不動産屋は家を建てる観点で土地を見てくれないからです。
見学してると不動産屋は「いい土地です」とっていてもハウスメーカー側からしたら「どこが?」ということはよくあります。
酷いときは見学している土地の悪いところは何も言わずにとにかく売り文句をつけて早く買わせようとする人もいます。
どのような経緯であれ土地の契約後の責任は購入者が負うルールになっています。
冷たい言い方なのですが不動産の役目は土地を仲介しているだけです。
不動産は土地の購入に関して色々な手続きと作業をしてくれますが、土地を購入した後で何かあったとしてもサポートはしてもらえないものとして考えましょう。
☆一番大事☆分からないことは小さなことでも何でも聞こう
一番大事な注意点があります。
どんな小さなことでも良いので分からないことがあったら不動産の営業さんにその場ですぐに聞きましょう。
結局それか!!となるでしょうが…
正直なところ土地は非常に多くのルールでがんじがらめになっています。
こちらが最小限の要点を抑えて残りの細かい部分は専門家に聞くのが一番効率が良いのです。
やはり餅は餅屋です。
また自分が些細な問題だと思ったことが時間がたって予想外に大きな問題になるかもしれません。
結果だけでみれば分からない事を聞かなかったことになります。
これも購入者側の責任になります。
土地は不動産屋とハウスメーカーがいろいろと見てくれます。
意見も言ってくれます。
だけど最後の責任は自分
この意識でいきましょう。
土地に関する主な注意点
土地に関する注意点は様々ですが特に出てくる内容は次の通りです。
他人の敷地に影響する内容は全て許可が必要になると考えると良いでしょう
越境
読んで字のごとく境界を越えるという意味です。
隣人の方の土地に侵入しないか(空中と地面も)
土地に関する越境は自分の家に関するもの(例えば電線)で隣人の方の土地に入り込んでしまう場合が挙げられます。
入り込むものは空中だけでなく、地中も該当します。
例えば我が家に電気を引き込むために電線を付ける場合電線がご近所さん土地の上を通さなければいけない場合があります。
隣人の方が植えている植物(柿の木など)がこちらの土地に入り込む場合も同様です。
境界標がなく代わりにブロックがあったとき(前回)と同様、電線が土地をまたいで良いか許可を頂く必要があります。
家を建てるトラックが入れるか(邪魔にならないか)
もう一つあります。
越境するもの(例えば電線)の高さが家を建てるトラックのクレーンに引っかからないことです。
越境するものが入り組みまくっているとハウスメーカーの営業さんが難色を示します。
最悪ハウスメーカーの営業さんが気づかないと家を建てる時に緊急の対策をするしかありません。
私がハウスメーカーの営業さんに聞いた時は通常よりも大型のクレーンで遠くの道路から建築材を上から運搬するという方法でした。
つまり本来払わなくてもよかった大型クレーンの追加費用が発生します。
(【2020/10/25追記】ピンからキリですが数10万~数100万円くらい価格が上がります)
最悪の場合そもそも建築材が運べないため家を建てられないということになります。
電柱
【2020/5/16追記】①電柱が土地の端にあるとき
電柱の配置により私達にとって良く働くところ、悪く働くところがあります。
良い働きをするパターンを紹介します。
土地の端っこにある電柱は道路で走る車を土地に入らせない働きがあります。
要は車よけです。
手書き図で書いた点線の箇所には入る車は少なくなります。
理由は道路を走っている運転手が電柱をから離れた後でわざわざ土地側に大きく車を入れようとはしないためです。
運転手からみて手間になります。
土地の前が交通量の多い公道の場合効果を発揮します。
②電柱が土地の前にあるとき
購入を検討している土地の前に電柱がある場合があります。
車の出し入れが不便になることがほとんどです。
電柱は費用を出せば移動することができますがそこでお隣様の許可が必要になってきます。
また電柱から分岐している電線は各家庭に引かれるため電線の引き方によっては電柱を移動できない場合があります。
特に注意が必要なのは袋小路です。
この場合もお隣様に電柱を移動しても良いか許可をもらうことになると思いますが、こちらの都合で電気が通らないと相手が考えるとなると良い返事はもらえないことがほとんどです。
【2020/8/1】土地の高さ
土地が低い位置にあったり、川沿い場合にある場合の注意点です。
この場合、川が氾濫した場合に検討している土地が浸水する可能性があるか、ある場合どのくらいの深さで浸水するかを調べる必要があります。
浸水に関する調べ方は検討している土地の市町村のHPで確認する事が出来ます。
検索例は「○○市 ハザードマップ」「○○市 水害」といったように、災害の言葉でひっかけてみましょう。
また、川の水害は外水氾濫(堤防が決壊したようなパターン:よく聞く洪水)と内水氾濫(排水が追い付かず市内であふれだすパターン)の2種類あります。
どちらのハザードマップも調べましょう。
いちおう対策として土を盛ってお家の高さを稼ぐ方法がありますが、ご近所に日照りに関して迷惑をかけないレベルで行う必要があります。
判断が難しい内容となります。
家に関する主な注意点
ここからはハウスメーカーの営業さんから聞いた内容をまとめています。
用水路から離しても家を建てる広さがあるか(30°ルール)
汚い絵ですね。
用水路がある場合家は用水路の近くに建てることはできません。
用水路の壁に家の重さが伝わるため地面を支えきれなくなってしまうためです。
そのため家は用水路から離さなければいけません。
離す距離は目安があります。
用水路の壁の一番下から30°の角度で上がり、
地面と交わる所まで離した水平方向の距離が目安となります。
ハウスメーカーの営業さんは通称30°ルールと呼んでいました。
当時一緒に土地を見学した不動産の営業さんはこの内容を知りませんでした(話さなかっただけかもしれませんが)。
30°ルールを知っているのと知らないのでは用水路のある土地の見方が変わると思います。
ぜひ押さえてほしい内容です。
なおハウスメーカーによって考え方が異なると思いますので都度確認をお願いします。
隣の建物
現地見学に行ったときは土地の周りの建物も確認しましょう。
自分の家が建った場合、お隣と家の間隔は十分あるか
お隣と家の間隔については、家の設備が置けるかまたは火事が発生した時に燃え移りが無いような距離であれば、問題ないと言えるでしょう。
とてもあいまいな言い方です。
なぜなら公のルールもあいまいだからです。
この記事をアップした段階の民法234条1項で家と家の間は境界から50cm以上離す旨の記載があります。
一方民放236条で慣習があれば慣習に従うとあります。
慣習が優先になっています。
結局慣習にしたがうのであれば境界標がなく代わりにブロックがあったときの件と同じように先に住んでいる人の意見が優先されることになります。
残念ながら後からやってくる新参者(土地の購入者)は不利なのです。
結局は地域の慣習があるためやっぱりハウスメーカーに聞くこれが一番になります。
実際、私が現地見学をした土地(境界標の話です)も家の距離が近かったです。
ギリギリ50cmあるかないかの状態でした。
誰も住んでいないような建物(空き家)が長い時間放置されていないか
見学している土地が誰も住んでいないような建物に気を付けてください。
実際に私が見学した土地でみることができました。
建物はびっくりするぐらい損傷が激しい空き家でした。
どれくらい激しいかと言うとホラー映画に出てくるような廃墟のような建物でした…!
距離も近く夜になると家を建てたら正直怖いだろうなと思うほどでした。
道路の広さ
見落としがちな項目です。
土地の前の道路だけではなくその周り全てを確認する必要があります。
土地に繋がる道路はいきなり狭くなる時があったり家を建てるとき~数十年たった時のことまで考える必要があります。
大きく分けて以下の3点があります。
道路の幅
自家用車の出入りは楽か、確認をしましょう。
土地の前だけではなく、周りも確認しましょう。
一番はメジャーをもっていけばよいのですがそういう時に限って良く忘れます(汗)。
なのでハウスメーカーの営業さんにその場で道路の幅を聞くと良いです。
ハウスメーカーの営業さんは建築するトラックの事を同時に考えるため、道幅をメーカーが扱うトラックの幅にもとにおおよその値で答えてくれるでしょう。
不動産屋に聞いても土地の図面ベースの情報を元にしか話せないため数値の制度が怪しくなります。
他にはよくある話は接道義務を満たしているかどうかです。
これは不動産やハウスメーカーの営業さんがまず抑えることなので、ある程度気を付けるで良いと考えます。
(満たしていないと家を建てられないので)
詳細は建築基準法42条2項道路、43条但し書き許可について(引用元:NSKねっと様)を確認してください。
正確性を重視したのでNSKねっと様のHPを引用させて頂きましたが、検索で「接道義務」と調べれば
分かりやすい模式図がたくさん出てきますのであわせて確認してもらえればと思います。
家を建てるトラックが入れるか-建てた後のことまで予想しよう(補修・リフォーム)-
先ほどの話と関連します。
ハウスメーカーの建築用のトラックが入れるかも確認しましょう。
一番厄介なのが土地へ続く右折(左折)の十字路(T字路)に駐車場があることです。
トラックが曲がるときに道路の幅が狭くトラックが駐車場の上の通らざるを得ないとき、他人の土地ですので駐車場の所有者様に許可をとる必要になります。
公共のものでない場所は基本全て許可が必要と考えましょう。
パッと見、道幅が広く見えてしまいトラックも簡単に入れそうに感じますので要チェックです。
もう一つあります。
駐車場はこれからもずっと駐車場という保証はないことです。
次のような例の時に困ります。
ハァハァ…無事に家が建ったぞ…。
~~10年後~~
今日は外壁補修の日だ。
道路使用許可はとったし、あとは業者待ちだ。
メーカー:「壁の補修工事をしたいのですが、お宅に直接行けません。」
うそ!?なんで!!??
家を建てた時は建築用トラック入れたでしょ!!?!?
アレェえ、駐車場だったところが建物になってる!!
トラック曲がれない…。
上記の例の場合は手間をかけての補修工事になるでしょう。
本来トラック一台で済んだ工具の運搬のために人の手で運ぶことになります。
時間がかかりますので追加費用発生、と考えた方が良いでしょう。
(【2020/10/25追記】こちらも数10万~数100万の追加費用です)
リフォームも同じ考えになります。
家を建てている時にご近所様が問題なく土地の前を通行できるか
どういうことかというと家を建てる時に建築用のトラックが道路を占拠しないか確認をするということです。
建築用のトラックが道路を占拠したらまずいパターンになる可能性が高いです。
最悪、苦情が来ます。
「おたくらが道路ふさいでるから会社いけないじゃないか!!」
という事態になります。
こちらからしたら反対側の道路から出れるからいいじゃない!と、言っても、
「うちは大きい車だからお宅が道路をふさいでる先の曲がり角の方しか出られないんだよ!!」
という前提での苦情に気づくパターンになるでしょう。
袋小路の道路もしかり、です。
なんにせよ今後はご近所になるとはいえ、いまは見ず知らずの他人がいきなり通れるはずの道が通れない事態にしてしまったら第一印象は間違いなく悪くなるでしょう。
ハウスメーカーからしたら道路をふさいでご近所に迷惑をかけるため、家を建てるときの相当悪いパターンらしく大目玉ものとのことでした。
こちらに100%非がある状況になるため相手からどんな要求をされるかとても怖いためです。
見落としがちですので要チェックです。
ちなみに私が見学した土地では最大で8世帯の許可を取る必要があると分かりました。
そのため労力が凄まじいと感じ見送りました。
5感をフルに使おう(自分に素直に)
最後は自分自身の感覚です。
自分ひとりだけの感覚では気づかないことがたくさんあるため、パートナーの感覚も大事にしましょう。
文字通り5感をフルに動かして土地の周りを見てほしいです。
色々気づくことがあると思います。
事前に把握していた坪数と比べて思ったより狭い(広い)土地だったとか。
この地区(この周辺)なんだか臭いとか。
自分の感覚に素直になって欲しいです。
特に盲点なのは臭いです。
酪農が盛んな地域・小規模の養豚場や養鶏場があるかは大きなポイントになります。
土地見学の時に分かればまだよいのですが見学時に臭わない時もあります。
その時は把握できる範囲でこちらのチェックが必要です。
GoogleMapなどでできるだけ探すと吉です。
【2020/10/25追記】緑の草原地帯や畑作地帯が確認できたら結構確率が高いです。
ちなみに私が現在この記事を作成してる地域(持ち家検討中ですので賃貸です)では、
不定期に強烈な酪農の臭いが流れ込んできます…。
まとめ
今回は土地を見学するときの土地の周りの注意点をお話ししました。
色々はなしてしまったため、まとめとしては特に大事な要点のみに絞ります。
- ☆一番大事☆
分からないことは小さなことでも何でも聞こう - 5感をフルに使おう
知識を要するところは一緒に同行する不動産やハウスメーカーの営業さんに都度都度聞いていきましょう。
購入側としては土地を見た時に何がどう感じるか、素直な気持ちになってみるとよいでしょう。
パートナーの感覚も大事です。
自分では気づけないところに気づいてくれるはずです。
補足資料(引用元のページー法律なので興味のある方用ー)
今回は法律の話をしてしまいました。
引用元は電子政府の総合窓口 e-Gov[イーガブ]のトップページです。
法律の内容が確認できます。
しかし文字ばかりです。
正直一般の方々にはぜひ見てくださいとは言えません…。
↓↓↓↓↓↓e-Govのトップページです↓↓↓↓↓↓
民法234条と236条
家と家の間隔について話した時に使用しました。
境界線から50cn以上確保する。
しかし、ねらっている土地で規定と異なる慣習があれば、その慣習に従う。
矛盾してますね。
なので土地勘のある不動産の営業さんハウスメーカーの営業さんに聞くのが吉です。
やはり餅は餅屋です。
第二百三十四条 建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。
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2 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。
第二百三十六条 前二条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。
電子政府の総合窓口 e-Gov[イーガブ]←該当する法律の説明文の所までジャンプします
(境界線付近の掘削の制限)
建築基準法 第四十二条
道路の定義、家を建ててよい土地の範囲を定義しています。
各号の内容まで引用すると長くなるため割愛します。
文字だけなのでイメージが沸き辛すぎます。
これも色々な各市町村や不動産のサイト様を見た方が早いです。
イメージ図を作成頂いているはずです。
餅はm(ry)
第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
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