工事の帳票作成が絶望的に非効率で愕然としたことをお話ししたいです。
- 工事帳票の作成はDXから遠すぎて絶望している(2度目)
- DXよりもAX(アナログトランスフォーメーション)するべき
最低限のマニュアル整備とか業務フローの最適化とか
目次です
まず聞いてほしい、この絶望的な状況を
私は設備屋になってDXの業務(ITとOT、あとはデータ分析)をしています。
一方、設備屋ですのでDXの業務以外に工事の見積依頼・発注や当日の安全支援(工事立ち会い)もしています。
DXの担当者が工事をするってレアでしょう?デジタルツール検証したりデータサイエンスしたりとかProgrammingとかの印象だったでしょう?(みなさんはどうでしょうか?)
そんな暗に俺SUGEEEEEの話はどうでも良いのです。。
工事の業務ですが、工事をするために業者が作業するにあたって安全面で問題がないか、業者に帳票を作成してもらいます。
今回話したいのはこの帳票についてです。
弊社の工事帳票に関わる業務は、DXという言葉が霞んで見えるほど、旧態に依然とした手作業に依存しています。
関係者全員が疲弊し、絶望的な気持ちになっています。
この非効率な現状は、もはや看過できないレベルに達しています。
弊社の工事帳票はすべてExcel手入力&データの紐づけもない
私たちの会社では、驚くべき現実があります(なんだってー!?)。工事の帳票はすべてExcelで手入力されています。
工事の帳票はデータが全く連携されていません。
会社名・日付・工事名称・作業場所といった具合に、本来は一度入力すれば済む情報が、別々のファイルで何度も手入力されます。
(IT界隈では当たり前な話ですよね)
まさにミスをしてほしいと言わんばかりの作り方です。
人間はミスをする生き物だとならわんかったのか?
これはDX以前の問題です。
基本的なPCスキルすら活用されていません。
業者はむせび泣く
この非効率なシステムは協力業者にも大きな負担を強いています。
配布されるExcelファイルには説明がありません。
各セルの記入欄の説明ありません。
記入例もありません。
そう、マニュアルがないのです。
業者は毎回頭を悩ませます。
「この欄には何を書けばいいのか?」と。
彼らは手探りで帳票を作成するしかありません。
え、我々に聞けば良いって?正解です。でも現実解は不正解です。
はじめは聞いてきますか、膨大な質問の量にお互い疲弊し、最後はやりとりがなくなります。
結果、業者は不要な推測や確認作業に膨大な時間がかかります。
帳票作成の工数は不必要に膨れ上がっています。
渡される側もむせび泣く
一方で、帳票を受け取る弊社の担当者も地獄を見ています。
ええ、私のことです。
提出される書類の束は厚みが1cmを超えることもあり、書類の種類は10を超えます。
これだけ膨大な帳票の量、種類だと記載漏れや記入ミスは後を絶ちません。
私たちは一つ一つチェックするのですが(せざるを得ないのですが)、ホワイト(修正テープ)&黒ペン・赤ペンで都度直接帳票を修正したりします。
完全に手作業です。
この手作業の修正・確認だけで5時間以上かかることもあります。
関係者全員が膨大な時間と労力を浪費しています。
修正の多さにむせび泣く状況です。
あまりにひどいときは作り直しを指示します。
また業者もむせび泣きます。
さらに、弊社の部内チェックも地獄です。
本当の地獄はここからです。
- 電子捺印があるのはカラー印刷じゃないと駄目→知らんがな
- これ両面印刷じゃないと駄目→知らんがな
- この項目の意味わかってる!?→知らんがな!!
さらにさらに、部内チェック者の主観がふんだんに盛り込まれます。
チェック者が異なれば、指摘される内容も違うのです。同じ項目・内容なのに。
どうすりゃええねん。
ここまでくると誰も喜ばない状況ができあがりです。
元凶はITを知らない
なぜこの前時代的な状況は改善されないのでしょうか。
元凶は安全管理部にあるとにらんでいます。
彼らが帳票のフォーマットやルールを管轄しています。
失礼ながら、安全管理部にはITに詳しくないジジもといベテラン社員が多いです。
彼らはITリテラシがないです(断言)。
もちろんExcelの基本関数すら怪しいです。
そうでなければ現状を説明できません。
せめて共通項目くらいセルの参照機能で紐づけてほしいものです。「=セルを選択」だけの簡単な操作です。
最低限の効率化さえ行われていません。「まさかセルの参照すら知らないのか?」と叫びたいものです。
ていうか全部のセルに指差し呼称させる気か?
マジでYESと答えてきそうで怖いわ。
皆「慣れだよ、慣れ」で終わってます。
慣れ、ヨシ!
じゃねーよ。
※ここで少数派の名誉のために補足しますが、若手の安全の方はExcelを使っています。
しかしなぜセルの呼び合いさえもない帳票がオフィシャルとなるかといえば、おそらくその上のジジもといベテラン勢が色々な責任問題を考えて、我々と業者に手入力をさせるという結論にさせたのだと思わざるをえません。
このままでは未来はないマジで
このままでは誰も幸せになりません。
協力業者も社内担当者も不幸です。
無駄な作業に時間を奪われています。
本来注力すべき業務に集中できません。
安全管理や品質向上が疎かになります。
私個人としても、この事態は会社の競争力低下に直結していくと思います。いや安全は法令上大事なこともしってるけども。
DX推進が叫ばれる時代です。
しかし、その前に、あまりにもアナログの部分が非効率です。
これは早急に改善されるべきです。
なにがといえば、デジタルの部分ではありせん。アナログの部分です。
DXよりもAX(アナログトランスフォーメーション, 株式会社船井総合研究所)するべきです。
具体的には、最低限のマニュアル整備とか業務フローの最適化とか、現状の仕事のやり方進め方の整備です。
経営層や関係部署はこの現状を認識すべきです。
その後で、ITを活用した抜本的な業務改革が必要です。順番を、間違えてはならんのです。
切に願います。
そうでなければ、私たちはこの絶望から抜け出せません。
参考文献
- “アナログ”トランスフォーメーション(AX)(2021), 株式会社船井総合研究所
https://www.funaisoken.co.jp/press/8113
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